自賠責保険に関するQ＆A

　自賠責保険（自動車損害賠償責任保険）とは，法律によって，全ての自動車（原動機付自転車を含む）に加入が義務付けられている，交通事故の被害者に最低限の補償をし，資力のない加害者から賠償を受けられないといった不利益を軽減するための強制加入の保険です。

　自賠責は最低限の補償をするための保険であるため，人的な損害のみを補償対象とし，物的な損害には保険金は支払われません。

　また，人的な損害についても，支払の限度額が定められており，傷害による損害（治療費，傷害慰謝料，休業損害など）が１２０万円まで，後遺障害による損害（慰謝料，逸失利益を含む）が４０００万円まで（常時介護が必要な場合），死亡による損害（葬祭費，慰謝料，逸失利益を含む）が３０００万円までとなっています。

　任意保険は，自賠責保険に追加して，上記自賠責保険からの保険金だけでは不足する部分をカバーするため，任意的に加入する保険です。

　つまり，自賠責保険からの保険金では，被害者に適切な賠償をするのに金額が足りないことが多いため，自賠責保険の支払限度額を超えた部分を任意保険が支払うとの関係になっています。

　保険会社が提示する賠償金の額をめぐって弁護士に相談する場合の保険会社は，主にこの任意保険会社です。

　自賠責保険の支払基準によると傷害慰謝料は，実治療日数×２と通院期間のどちらか少ない方に４２００円をかけて算定されます。

　例えば，３か月の通院期間中に通院を４０日していた場合は，４０日×２×４２００円＝３３万６０００円となります。

　なお，自賠責保険のケガに関する補償上限金額は治療費なども含め１２０万円です。

　後遺障害が認定されると認定された等級に従い自賠責保険からは，以下の保険が支払われます。

 

１　別表第１（介護を要する後遺障害）

　⑴　第１級　　４０００万円

　⑵　第２級　　３０００万円

 

２　別表第２（介護を要さない後遺障害）

　⑴　第１級　　３０００万円

　⑵　第２級　　２５９０万円

　⑶　第３級　　２２１９万円

　⑷　第４級　　１８８９万円

　⑸　第５級　　１５７４万円

　⑹　第６級　　１２９６万円

　⑺　第７級　　１０５１万円

　⑻　第８級　　　８１９万円

　⑼　第９級　　　６１６万円

　⑽　第１０級　　４６１万円

　⑾　第１１級　　３３１万円

　⑿　第１２級　　２２４万円

　⒀　第１３級　　１３９万円

　⒁　第１４級　　　７５万円